実は3/12に消えていた○○○○の東横特急
ガチ最初の説明的なsomethingを除けば初となるこの記事、はてさて何を書くべきかと考えた訳ですが・・・
手っ取り早い所では東急/相鉄新横浜線開業による相鉄・東急観の直通運転開始ってところでしょうが、ま~このネタは皆様取り扱ってらっしゃっててもう掘りつくされた感がありますし、はてさて困ったと。
ということで今回は、先日のダイヤ改正でサラッと消滅していたにも関わらずあまり注目されていなかった「東横線のある列車」について紹介します。
1.土休日一本だけ残っていた○○○○の東横特急
その列車というのは、土休日のみ運行の渋谷駅7時08分発特急元町・中華街行、54Kですので東急車が充当されていた列車です。これだけ聞けば「なんだ、普通のFがついてない東横特急じゃん」って思われると思います(普通の東横特急ってなんだよ)。
しかし、この列車の特徴は「渋谷駅始発であった」という点、つまるところ副都心線からの直通じゃないんです。
2013年から副都心線との直通運転を開始した東横線。これにより大半の特急が直通先の駅始発着になる中、この列車だけは未だに*1「渋谷始発の東横特急」という、言わば最後の「純粋な東横特急*2」の務めを果たしてきたわけです。
元住吉検車区から朝出庫し、この列車ののちは今や土休日のみ一本となった飯能行Fライナーに充当、最後は和光市で入庫という運用。中々なネタ運用だったと個人的には思います。
しかし3月12日、遂にこの列車にも終わりの時が来ました。最終列車は4109F、4000番台における副都心線直通に向けた純粋最終増備車(別名最後のまともな普通な5050系4000番台)の充当となり、「渋谷始発の東横特急終電」はいつも通り、静かに渋谷駅を発っていきました。
2.そもそも何故残っていた?
では、そもそもなぜこの列車が残っていたかという話なんですが、正直な話私にも正確な理由はわかりません。如何せん私は東急社員ではないので。
とはいったものの、一番の理由は出庫上の都合ではないかと。2022年度ダイヤ改正時点ですと、5050系4000番台の夜間留置は元住吉に偏っていたんですよね。そのため、4000番台を出庫させるには渋谷が都合よかったのではないかと。特急にしていた理由は、2022年改正時は渋谷駅時点で6時台後半になると既に特急15分パターンが始まっていたため、そこに上手いこと嵌めようとしたんでしょう。
3.このダイヤ改正でどうなったのか?
ただ、この列車の面白い所はここからなんですよ。
いや、普通に考えた場合、この列車が消えるっていうのは始発駅が直通先に変更されるっていうのじゃないですか。
あろうことか、こいつは違うんです。
なんということでしょう、急行に格下げされているではありませんか。しかも渋谷始発なのはそのままで。
格下げに不満が募る気持ちはないこともないんですが、正直これは正しい判断だったのでは?と個人的に思っています。というのも、土休日朝の東横線って明らかに特急より急行のほうが混んでるんですよ。9時台ぐらいになってくると微妙なんですけど、この列車の走る7時台とか8時台だとまだ急行のほうが混んでいるというイメージがあります。まああと運用上こうしなきゃいけなかったんだろうなっていうのもあると思いますね、8連になってますし。
多少の所要時間増にはなってしまったものの、利用者のことを考えるとこの格下げは正しかったんじゃないかなぁと思いますね。東急電鉄さんも流石に上手いこと考えてらっしゃる。
そんな簡単には終わらないんだなぁ、これが!!!!!
この程度で終わるような内容であればこんな大々的には取り上げないんですよね~~~、裏を返せばそれだけこの列車のダイヤ改正後がカオスだっていうことなんですが。
というのもですね、問題なのはこの列車の行先なんですよ。いやね、普通に考えれば元町・中華街行じゃないですか。元々は特急の元町・中華街行で純粋な云々かんぬんという話をしていたわけなんですから。
そうじゃないらしいと。
なるほどなるほど。それでは先日直通開始した相鉄線の駅、湘南台行というところではないだろうか?直通に切り替えたのであれば、こういう線もないことはないでしょう。
そうでもないらしいと。というかそもそも東横線の8両は新横浜線に直通しませんし。定期では。
じゃあどこなんだよ~って思ったそこのあなた。正解をお教えしましょう。
A. 菊 名 ( T Y - 1 6 )
改正後の時刻表を初めて見たときはおったまげましたね、よもや急行の菊名行なんていう平日夜間帯の代名詞が堂々と土休日の朝に爆誕してるんですから。しかも確認してみたらこの列車、夜間帯からは奇麗さっぱり一掃されてましたし。全廃されるだろうと思っていた身からすれば驚くほかありません。てかこの列車地味に渋谷駅5番線始発っていう。
といったところで、一本目の列車のぶっ飛んだポイントはこんなところです。
・・・・え?何かおかしかったって?
よくお気づきで。
そう、この列車。まさかの二等分されてます。いや二等分ってどういうことだよ!!!!ってなった方、要はこういうことです。
(時刻は渋谷駅発車時点)
<改正前>703各停→708特急(始発)→711各停
<改正後>702各停→706急行菊名(5番線始発)→710急行(始発)→711各停
う~~~~ん、混沌!
何故ここに二本も急行を突っ込んだのでしょうか。混雑緩和にはなるでしょうけど、ここまでしたらむしろ過剰な気が....この時間帯の急行に乗る乗客は横浜まで乗るんじゃないですかね....謎は深まるばかりです。
救いなのは後発の7時10分発急行元町・中華街行は何の変哲もない急行列車ってところですかね。横浜行きたいなら大人しくこの電車に乗ってください。
4.改正後も尚残る「純粋な東横特急」
先述の通り、2023年のダイヤ改正で渋谷始発の東横特急は完全に消滅したのですが、逆方向もそうなのかというと実は違います。どうせですので、ここで2023年ダイヤ改正後も残っている「純粋な東横特急」をご紹介しましょう。と言っても走っている時間帯が時間帯なので音声収録だったり写真撮影は難しいと思いますが...
①平日、元町・中華街6時15分発 特急渋谷行
この列車は「時差Biz特急」という呼称をされていた時期もありましたね。もともとは東京都が推進する時差Bizに合わせ、朝ラッシュのピーク時間帯を避けた通勤を推進するために運行された臨時列車でした。それが2020年に定期便となり今に至ります。
初年度の「時差Biz特急」は8両編成での運転だったとか、3色LED車仕様の特急を見てみたかったものです....
ちなみに現在の運用はメトロ車となっています。先日までは東急車持ちだったのですがね...
②土休日、元町・中華街23時28分発 特急渋谷行
一方こちらは打って変わって土休日、行先は変わりません。ぶっちゃけ特急武蔵小杉とか急行でいいですもんね。こちらは夜間帯に伴う運行区間短縮という形でまあ妥当と言いますか。あるよな~って感じの列車です。東武車運用。
ダイヤ改正前は元町・中華街19時04分発の特急渋谷行という副都心線直通開始後から維持されていた列車があったのですが、このダイヤ改正で和光市行に延長されることになりました。同時に運用もメトロ車に変更されています。一昔前は特急渋谷といえば4000番台というイメージだったのに気づけば定期運用喪失、驚きです。
いずれまた5050系が特急渋谷を掲げて走る日を夢見て、今日はこの辺で締めさせていただきます。ここまでお読みいただきありがとうございました。